不動産に関する税金                         令和4年1月4日

Ⅰ、不動産を取得した時の税金

1、不動産取得税・・・購入後にかかる税金

①、住宅        土地 3%  建物 3%

②、住宅以外、店舗等  土地 3%  建物 4%

税額=不動産の価格(固定資産税評価額)×税率

 

ケーススタディ1・・・新築戸建て

新築戸建て住宅を5,400万円で個人が購入 
建物の延べ床面積 180㎡、土地 120㎡

建物の固定資産税評価額1,500万円、
土地の固定資産税評価額1,800万円

 

建物の不動産取得税=(1500万円ー1200万円)×3%=9万円    軽減額1,200万円

土地の不動産取得税

1、1800万円×1/2×3%=27万円

2、軽減額イ 45,000円ロ(1800万円÷120㎡)×1/2×200㎡×3%=45万円・・・軽減額

27万円は軽減額45万円より少ないので、土地の不動産取得税はなし

したがって建物と土地の合計不動産取得税は9万円となります。

不動産取得税の軽減を受けるには、60日以内に県税事務所に申告が必要になります。

 

ケーススタディ2 ・・・中古戸建て      

平成2年に新築した中古戸建を1,600万円で個人が購入
建物の延べ床面積 90㎡、土地 100㎡

建物の固定資産税評価額200万円、
土地の固定資産税評価額500万円

税務署から不動産取得税の納税通知書が来ました。
建物の不動産取得税 200万円×3%=60,000円
土地の不動産取得税 500万円×1/2×3%=75,000円
こののまま納税しなければならないでしょうか? 

 

建物の不動産取得税は、中古住宅の新築された年によって控除額が決まっています。
平成2年ですと控除額が1,000万円になりますので、
(200万円ー1,000万円)×3%になり、建物の不動産取得税はかからないことになります。

 

住宅用土地の不動産取得税の控除は次のイ、ロいずれか多い方の金額になります。
イ、(500万円÷100㎡)×1/2×90㎡×2×3%=135,000円
ロ、45,000円
軽減額は135,000円になります。
75,000円ー135,000円になり、土地の不動産取得税はかからないことになります。

よって土地も建物も不動産取得税がかからないことになります。

不動産取得税の軽減を受ける為には、不動産購入者の免許証と土地と建物の登記簿謄本と売買契約書と本人の印鑑を持参して、担当地区の県税事務所に申請に行かなければなりません。
申請しなければ、税務署からきた納税通知書に記載してある不動産取得税を納めるようになります。

 

2、贈与税

①、20歳以上で直系尊属から贈与を受けた場合基礎控除額等

基礎控除額等控除後の課税価格 税率  控除額 
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円


②、上記以外の贈与の場合
基礎控除額等

基礎控除額等控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円


③、住宅資金の贈与を受けた場合の非課税特例

   消費税10%が適用される場合の特別住宅資金非課税限度額  

新築工事契約時期 省エネ等住宅 左記以外の住宅
平成31年4月1日~令和2年3月31日 3,000万円 2,500万円
令和2年4月1日~令和3年12月31日 1,500万円 1,000万円

 

ケーススタデイ 1


仙台市に住むAさん(40才)は令和1年に住宅を4,000万円で購入する為、父親(直系尊属)より
2,000万円の贈与を受けました。

一般住宅の非課税特例を適用した場合の令和1年分の贈与税はいくらになるでしょう。

2,000万円ー700万円(非課税特例)ー110万円(基礎控除)=1,190万円・・・贈与税率40%

(2,000万円ー700万円ー110万円)×40%-190万円(控除額)=286万円・・・贈与税

贈与税を少なくするには、贈与額を少なくして贈与税率を下げたり、質の高い住宅を購入して非課税特例の金額を大きくしたりする検討が必要です。 

 

ケーススタディ 2            

兄が退職した時に、家のローンが500万円残っていることが分かりました。 弟はいつもお世話になっている兄に、家のローンをゼロにしてあげる為に、兄に500万円あげました。 兄は贈与税をいくら払うことになるでしょう。  

弟が兄に贈与した場合は、弟は直系尊属になりませんので、②の場合の税率になります。 

基礎控除が110万円になりますので、年間110万円までの贈与については税金がかかりません。 

よって、500万円ー110万円=390万円に対して贈与税がかかることになります。 

390万円が贈与された場合は、税率が20%になり、控除額が25万円になります。 よって贈与税は、390万円×0.2-25万円=53万円 になります。 

兄は翌年の3月に贈与税の申告をして、贈与税53万円を払うことになります。  

 

3、相続税

法定相続人の法定相続分による取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下   45%  2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

 

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

ケーススタディ 1

父親が亡くなり、配偶者の母親と長男と長女と次女の4人が法定相続人の場合

法定相続分

配偶者(母親) 1/2

長男1/6

長女1/6

次女1/6

課税遺産の計=現金+不動産評価額ー借入金ー葬式費用=1,000万円+1億8,700万円ー2,000万円ー300万円=1億7,400万円

基礎控除額=3,000万円+600万円×4人=5,400万円

課税遺産総額=1億7,400万円ー5,400万円(基礎控除額)=1億2,000万円

配偶者(母親)の課税価格=1億2,000万円×1/2=6,000万円・・・税率30%

長男、長女、次女、一人あたりの課税価格=1億2,000万円×1/6=2,000万円・・・税率15%

配偶者(母親)の相続税額=6,000万円×30%-700万円(控除額)=1,100万円

配偶者の軽減措置(1億6,000万円)により相続税額は0円

長男、長女、次女の一人当たりの相続税額=2,000万円×15%-50万円(控除額)=250万円

相続税の総額=250万円×3人=750万円

 

配偶者(母親)が全ての遺産を相続しますと、配偶者の軽減措置(1億6,000万円)により、相続税を誰も払わないように出来ますが、母親が亡くなった時(2次相続)に、相続税の総額が増える場合がありますので、よく話し合って検討する必要があります。  

 

ケーススタディ 2・・・小規模宅地についての軽減              

父親が亡くなり一緒に暮らしていた一人息子が土地と建物を相続した時の税金 父親が所有していた土地330㎡と築40年の木造の家120㎡を息子が一人で相続しました。 

土地の相続税評価額は「路線価」で査定しますので、路線価は㎡あたり35万円でした。 

土地の相続税評価額は35万円×330㎡=1億1,550円になります。 

息子は同居していた父親が亡くなった後も家を継ぎ、息子の家族と一緒に住むことになります。 

生計を共にしていた親族が被相続人の土地(330㎡以内)を継ぐ場合は、「小規模宅地の特例」が適用されますので、 土地の相続税課税評価額の80%が減額できることになっています。 

よって息子の土地の相続税評価額は1億1,550万円×(1-0.8)=2,310万円になります。 

建物の相続税評価額が200万円で父親の預貯金は1,000万円ありました。 息子の相続税評価額は、土地の評価額+家の評価額+現金=2,310万円+200万円+1,000万円=3,510万円になります。 

相続人が一人の場合、相続税の基礎控除額は(3,000万円+600万円×1人)=3,600万円になります。 よって息子には相続税がかからないことになり、安心して父親の土地と建物に住み続けられることになりました。  

法定相続人が1人でない場合は「小規模宅地の特例」が受けられるかどうか専門家に相談して下さい。

 

Ⅱ、不動産を売った時の税金

個人が不動産を売却し、譲渡益が生じた場合には、その利益に対して、所得税と住民税がかかります。

課税譲渡所得金額=譲渡価格ー取得費ー譲渡費用ー特別控除

実際の取得費が不明の場合は、譲渡価格の5%が取得費となります。

長期譲渡所得の税金の計算・・・所有期間が5年を超える場合

所得税額及び住民税額=課税長期譲渡所得金額×20%(所得税15%、住民税5%)

短期譲渡所得の税金の計算・・・所有期間が5年以下の場合

所得税額及び住民税額=課税短期譲渡所得金額×39%(所得税30%、住民税9%)

 

1、居住用財産を売った場合の特例

(1)、3,000万円特別控除・・・長期保有、短期保有に関係なく利用できる

(2)、所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例

   ①3,000万円特別控除後の譲渡所得のうち6,000万円以下の部分・・・所得税10%、住民税4%

   ②3,000万円特別控除後の譲渡所得のうち6,000万円を超える部分・・・所得税15%、住民税5%

 

ケーススタディ 1 

仙台市に住むAさんは昭和41年に土地と建物を1,000万円で購入し、令和1年に1億700万円で売却しました。

なお、Aさんには、その他の課税所得が600万円あり、売却した際の譲渡費用として400万円かかりました。また、住宅の減価の額は200万円でした。

この場合の住居用財産の売却にかかる譲渡所得の所得税額及び復興特別所得税額と住民税は?

(1)、所得税額

1億700万円ー(1,000万円ー200万円)-400万円=9,500万円

9,500万円ー3,000万円(特別控除)=6,500万円

6,000万円以下の部分・・・6,000万円×10%=600万円

6,000万円超の部分・・・(6,500万円ー6,000万円)×15%=75万円

600万円+75万円=675万円・・・所得税額

 

(2)、復興特別所得税額

675万円×2.1%=141,750円

(3)、(1)+(2)

675万円+141,750円=6,891,750円→6,891,700円

(4)、住民税額

6,000万円×4%=240万円

(6,500万円ー6,000万円)×5%=25万円

240万円+25万円=265万円・・・住民税額

 

ケーススタディ 2

仙台市に住むBさんは親から相続した100坪の土地を駐車場にしていましたが、5,000万円で売ることにしました。

この場合の売却にかかる譲渡所得の所得税額及び復興特別所得税額と住民税はいくらかかり、税金支払い後に手元に残るお金はいくらになるでしょう。

1、諸経費

(1)、不動産仲介手数料・・・1,716,000円

(2)、契約書に貼る印紙代・・・30,000円

(3)、測量費用・・・700,000円

(4)、権利書(登記識別情報)が見つからないので、司法書士に手続きをお願いすることになりました。・・・50,000円

諸経費の計2,496,000円

 

2、税金の計算

(1)、購入時費用が分からない時は売却金額の5%を購入金額とみなされます。購入時金額=50,000,000円×5%=2,500,000円

(2)、譲渡所得金額

    売却金額ー購入時金額ー諸費用=50,000,000円ー2,500,000円ー2,496,000円=45,004,000円

(3)、長期譲渡所得(5年以上所有)にかかる所得税

   45,004,000円×15%=6,750,600円

(4)、復興特別所得税

   6,750,600円×2.1%=141,762円

(5)、譲渡所得にかかる住民税

   45,004,000円×5%=2,250,200円

税金合計9,142,562円

 

3、税金支払い後に手元に残る金額

  売却金額ー諸費用ー税金=50,000,000円ー2,496,000円ー9,142,562円=38,361,438円

 

不動産を買った時の領収証は大切に保管してください。

 

 

Ⅲ、不動産を持っている時の税金

1、固定資産税・・・1月1日に不動産を所有している人に課税される。  税率は1.4%

固定資産税評価額×税率=税額

住宅用地は次のように軽減されます。

区分                                                                     軽減率

小規模住宅用地     住宅の敷地で住宅1戸につき200㎡までの部分                             価格×1/6に軽減

一般住宅用地      住宅の敷地で住宅1戸につき200㎡を超え家屋の床面積の10倍までの部分            価格×1/3に軽減

200㎡(60.5坪)以下の土地の建物を12月に解体して更地にして、売地にしたり新築する場合翌年の、土地の固定資産税が、6倍になる可能性がありますので、検討することが必要になります。

 

Ⅳ、不動産を貸している時の税金

1、不動産所得税 

総収入金額ー必要経費=不動産所得の金額

必要経費には固定資産税、保険料、建物等の減価償却費、借入金の利子、修繕費が認められます。

3月15日まで確定申告書を提出し納税します。